開会式の初日から競技があるのがボートです。過去のオリンピックでは日本勢にメダルを獲得したことはないですが、地元開催で初のメダルを期待したいところです。
ルールはシンプルで誰が勝ったのかも一目瞭然なので、初めて観戦する人も楽しめます。今回はボートの
- 大会日程・スケジュール
- 試合会場
- 見どころ
- 注目の選手
などを紹介します。
ボートのオリンピック種目
ボートは2㎞の直線コースで、オールを使ってボートを漕ぎ、順位を競う競技です。カヌーとは違い進行方向に背中を向けて漕ぐのが特徴で、大きく分けると
- スカル:オールを右手と左手に1本ずつ持つ競技
- スウィープ:一人一本ずつ持つ競技
この2つがあるが、スカルは「シングル(1人)」、「ダブル(2人)」、「クオドルプル(4人)」に「軽量級ダブル(2人)」の4種目。
一方スウィープは「舵手なしペア(2人)」、「舵手なしフォア(4人)」、「エイト(8人)」と同じく3種目行われ、エイトのみ舵手が乗ります。
スカルが4種目、スウィープが3種目、ともに男女それぞれ競技があるので計14種目となります。
軽量級とオープンの違い
漕手の体重によって、「軽量級」と「オープン(体重制限なし)」に分けられます。男子の軽量級は、漕手全員が72.5kg以下で平均体重が70.0kg以下(男子シングルスカル漕手は72.5Kg以下)、女子の軽量級は、漕手全員が59.0kg以下で平均体重が57.0kg以下(女子シングルスカル漕手は59.0Kg以下)に定められています。
ボートの試合会場と大会日程・スケジュール
ボートの競技スケジュールは種目ごと男女同じ日に行われます。
7月 | |
日 | 時間・種目 |
24日(金) | 8:30~12:10 |
シングルスカル予選 | |
ダブルスカル予選 | |
クオドルプルスカル予選 | |
25日(土) | 8:30~12:30 |
舵手なしペア予選 | |
舵手なしフォア予選 | |
軽量級ダブルスカル予選 | |
シングルスカル敗者復活 | |
ダブルスカル予敗者復活 | |
26日(日) | 8:30~11:10 |
エイト予選 | |
舵手なしペア敗者復活 | |
クオドルプルスカル敗者復活 | |
軽量級ダブルスカル敗者復活 | |
シングルスカル準決勝E/F | |
27日(月) | 8:30~10:50 |
舵手なしフォア敗者復活 | |
シングルスカル準々決勝 | |
ダブルスカル準決勝 | |
28日(火) | 8:30~11:55 |
シングルスカル準決勝C/D | |
軽量級ダブルスカル決勝C | |
クオドルプルスカル決勝B | |
クオドルプルスカル決勝A | |
舵手なしペア準決勝A/B | |
軽量級ダブルスカル準決勝A/B | |
29日(水) | 8:30~11:55 |
ダブルスカル決勝B | |
舵手無しフォア決勝B | |
女子ダブルスカル決勝A | |
舵手無しフォア決勝A | |
エイト敗者復活 | |
シングルスカル準決勝A/B | |
30日(木) | 8:30~11:55 |
舵手無しペア決勝B | |
軽量級ダブルスカル決勝B | |
舵手無しペア決勝A | |
軽量級ダブルスカル決勝A | |
シングルスカル決勝F | |
シングルスカル決勝E | |
シングルスカル決勝D | |
31日(金) | シングルスカル決勝C |
シングルスカル決勝B | |
シングルスカル決勝A | |
エイト決勝A |
試合会場:海の森水上競技場
「海の森水上競技場」は都心に近い、緑豊かな埋め立て地に整備された競技場。大会後は水上競技の会場や練習拠点とされるほか、水面を多彩に活用した都民のレクレーションや憩いの場として利用される予定。
住所:東京都江東区青海3丁目地先 MAP(マップ)
アクセス:JR京葉線・東京メトロ有楽町・りんかい線「新木場駅」よりタクシーで約15分(大会時はシャトルバスの運行あり)
ボートの見どころやポイント
こちらは女優の綾瀬はるかさんが出演している東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本をひとつにするプロジェクト「Beautiful Japan2020」のボート篇です。
リオ五輪代表で東京五輪の代表候補の中野紘志選手と一緒に綾瀬さんがボートを漕ぎますが、初心者とは思えないなかなかの腕前です。中野選手の奥様とお子さんも出演されていますよ。
ボートはシンプルに速度を競う競技です。脚力を使って一気にスタートで加速し、体力を温存しつつペース配分を行ってラストスパートをするのが基本。100分の1秒の差が勝敗を分けます。
ボートの花形・エイトをはじめ、漕手が動きをピッタリ合わせて進み他の艇の位置や動きから戦略を見極め、ここぞとばかりに勝負をかけるスピード感は見どころです。最後まで分からない白熱のレース展開に手に汗握ること間違いなし。
また、スタートでリードすると他の艇を見ながら漕ぐことができて有利ですが、序盤に飛ばし過ぎると後半が続きません。ペース配分や駆け引きがポイントです。
マラソンや駅伝などでは拡声器を使って監督が指示を出す場面を見かける場面がありますが、ボートでは失格となる行為です。クルーたちは自分たちだけの判断でレースの駆け引きを考えて戦う必要があります。
ボートの強豪国と日本のメダルの可能性は?
ボートは欧米で人気があり、特にドイツは強豪国です。日本は大学でボート競技が盛んではあるものの、競技人口が少なく、過去メダルの獲得はありません。
日本は軽量級ダブルスカルでの出場が多く、2000年シドニー(武田大作・長谷等)、2004年アテネ(武田大作・浦和重)両五輪の同種目6位が最高位で武田大作は2大会連続の入賞を果たしています。
前回のリオ五輪では、男子は軽量ダブルスカルで大元英照・中野紘志ペアの15位が最高位で、女子も同じく軽量級ダブルスカルで大石綾美・冨田千愛ペアが12位だった。東京五輪でもやはり軽量級で入賞、そして初のメダルを期待したいところです。
日本代表選考の条件と注目の選手
「日本ボート協会」によると
日本代表候補選手の選考プロセスについて
(1)選考スケジュール
①2019年11月 : Head of The ARA(以下「HOA」という。)参加
②2019年12月および2020年2月 : 2000m エルゴテスト記録の提出
③2020年3月12日(木): 日本代表候補最終選考レース予選タイムトライアル
④2020年3月20日(金)~22日(日): 日本代表候補最終選考レース(Small Boat Selection)
となっており、現在(2019年12月)はまだ代表選手は決まっていません。
中野紘志
なかのひろし。1987年12月1日生まれ、石川県金沢市出身。一橋大学商学在学中に先輩から「ボートなら日本一を目指せるよ」と言われボートを始めるようになり、その後リオ五輪の代表となって軽量ダブルスカルで15位という結果を残しました。
2017年日本オリンピック委員会アスリート委員会委員。2018年から、学校法人タイケン学園(日本ウェルネススポーツ大学)スポーツアドバイザーに就任しています。
中野選手の実績で注目されるのが2009年の世界U23ボート選手権チェコ大会で、男子軽量級舵なしフォアで銀メダルの獲得です。この大会で日本のメダル獲得は初めてでした。
最近では2019年5月に行われた全日本選手権男子シングルスカルで、2年ぶり2回目の優勝を飾っています。
努力を惜しまず、毎朝4時半に起きて練習している中野選手。奥さんはオリンピックで旦那さんが金メダルを獲ることを信じて疑わないそうです。男子の選手の中では一番メダルに近い選手ではないでしょうか。
下記の動画は中野選手のインタビューです。子供のころから一生懸命いろいろなスポーツをやってきましたが、どれもうまくいかなかったといいますが、なぜオリンピックの選手になれたのでしょうか?
大石 綾美
【漕艇部-リオ五輪代表選手】
ボート・軽量級ダブルスカル
●大石綾美(14年スポ卒) pic.twitter.com/Dn26E2tCVS— わせ速 [早稲田速報] (@wase_soku) June 27, 2016
おおいしあやみ。1991年4月9日生まれ愛知県出身。高校でボートを始め、早稲田大学に進み、現在はアイリスオーヤマに所属しています。
主な成績は、2013年のU23世界選手権大会女子シングルスカルで3位を獲得し、最近では2019年5月の全日本選手権大会女子シングルスカルで見事に優勝し、大会3連覇の偉業を成し遂げた実力者。
今年の世界選手権では女子軽量級ダブルスカルで14位となり、オリンピック出場とはなりませんでした。
リオ五輪では冨田千愛選手とのペアで12位に入り、五輪後は宮城県に拠点を移して、山領夏実選手とのペアで東京大会を狙っています。ぜひ前回の順を上回る活躍を期待したいです。
まとめ
ボートは圧倒的にヨーロッパ勢が強く、日本のオリンピックでのメダルもないものの、東京で開催されることでチャンスはあるのではないでしょうか?
他の競技と比べると期待値は低いかもしれません。ですが、ここでメダルを獲ると一気に注目度が高まるので、ぜひ初のメダルを期待したいところです。
競技はわかりやすく、水面を滑るように進むスピード感は爽快です。ぜひ白熱のレース展開を楽しみましょう。
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