国民的スポーツとして親しまれている野球。世界的には普及率が低いなどの理由で北京五輪を最後に正式種目から除外されていましたが、東京五輪では開催都市提案による追加種目としてソフトボールと共に実施されることが決定しました。
プロ野球チームから選手が選出されますが、昨年開催されたプレミア12では優勝を飾った日本チームは今度は五輪でも金メダルを期待したいところです。
- 大会日程・スケジュール
- 試合会場
- 見どころ
- 注目の選手
- 過去の成績
など詳しく紹介します。
試合会場と大会日程・スケジュール
福島あづま球場
野球は7月29日(水)に行われる予選は「福島あづま球場」で開催されます。「スポーツを楽しむ」「自然と憩い」「家族で楽しむ」「歴史散策」の4エリアを有する福島市のあづま総合運動公園内にある野球場。
住所:〒960-2158 福島県福島市佐原神事場1マップ
アクセス:福島駅よりバスで30分。※大会時はシャトルバスの運行あり
横浜スタジアム
予選の30日(木)から8日(土)の決勝までは横浜ベイスターズの本拠地でおなじみの「横浜スタジアム」で行われます。
住所:神奈川県横浜市中区横浜公園マップ
アクセス:JR根岸線「関内駅」より徒歩約2分
6か国の出場なので、24日の開会式の日以外は毎日試合が続きます。決勝は28日で、同日に3位決定戦も行われます。
日 | 時間 | 試合 | 場所 |
7月29日(水) | 12:00~15:00 | オープニングラウンド | 福島 |
7月30日(木) | 19:00~22:00 | オープニングラウンド | 横浜 |
7月31日(金) | 12:00~15:00 | オープニングラウンド | 横浜 |
19:00~22:00 | オープニングラウンド | 横浜 | |
8月1日(土) | 12:00~15:00 | オープニングラウンド | 横浜 |
19:00~22:00 | オープニングラウンド | 横浜 | |
8月2日(日) | 12:00~15:00 | ノックアウトステージ (#1) | 横浜 |
19:00~22:00 | ノックアウトステージ (#2) | 横浜 | |
8月3日(月) | 12:00~15:00 | ノックアウトステージ (#3) | 横浜 |
19:00~22:00 | ノックアウトステージ (#4) | 横浜 | |
8月4日(火) | 19:00~22:00 | ノックアウトステージ (#5) | 横浜 |
8月5日(水) | 12:00~15:00 | ノックアウトステージ (#6) | 横浜 |
19:00~22:00 | 準決勝(#7) | 横浜 | |
8月6日(木) | 19:00~22:00 | 準決勝(#8) | 横浜 |
8月8日(土) | 12:00~15:00 | 3位決定戦(#9) | |
19:00~22:30 | 決勝(#10) |
※#1~#10までのノックアウトステージ10試合の組み合わせはこちらのトーナメント表をご覧ください。
日本以外の野球の出場国は?
2020年1月時点でオリンピック出場が決まっているのは4か国
- 日本(オリンピックホスト国)
- イスラエル(アフリカ・ヨーロッパ予選大会優勝)
- 韓国(プレミア12、アジアオセアニア最上位)
- メキシコ(プレミア12、アメリカ大陸最上位)
出場国は6か国なので、残り2か国となるが、まだアメリカやキューバなど五輪常連国はアメリカ大陸予選に出場して五輪を目指します。
アメリカ大陸予選
アメリカ大陸予選は2020年3月にアメリカで行われ、プレミア12の出場国から
- アメリカ
- カナダ
- ベネズエラ
- プエルトリコ
- ドミニカ共和国
- キューバ
そしてパンアメリカン競技大会から
- ニカラグア
- コロンビア
計8か国が出場し、優勝国が五輪出場権を獲得。2位、3位の国は世界最終予選に出場する
世界最終予選
世界最終予選は2020年4月に台湾で行われ、
- 台湾
- 中国
- オランダ
- 野球オセアニア予選優勝国
- アメリカ大陸予選2位、3位の国
計6か国で争われ、優勝国がオリンピック出場権を獲得します。
東京五輪の野球の複雑な大会方式!
東京五輪の出場は6か国ですが、過去の大会は8か国でした。8チームの場合は総当たりの予選ラウンドを行い、上位4チームが決勝トーナメントに進出する大会方式でした。
今回の東京五輪の場合は「野球の認知度を高めるために増やしたい世界野球ソフトボール連盟(WBSC)」と「コスト削減を重視して抑制したい大会組織委員会」との間で意見が衝突しました。
その後両者が着地点を見いだして歩み寄った結果、試合数は計16で決着。3チームずつの2組に分かれて1次リーグ6試合を行った後、敗者復活を含めた変則の決勝トーナメント10試合を行う方式が採用される。
参照:毎日新聞
そのため1次リーグ全敗(0勝2敗)、変則トーナメントで1敗しても、それ以外の試合で勝利すれば4勝3敗で金メダルを獲得できる異例の大会方式となり、真の王者決定戦にふさわしい手法なのかという声もあります。
ただし、大会終盤まで各チームにメダル獲得の可能性を残して「消化試合」をなくすことで、大会を盛り上げようというのが主催者の狙いです。
延長戦はタイブレーク制
9回終了時に同点の場合は延長戦となり、11回からは前の回の最後の打者とその前の打者を1、2塁に置き、無死1,2塁プから打順を変えずにプレーを開始するタイブレークが導入されます。
引き分けはなく、延長戦は決着がつくまで続きます。
過去の五輪の日本の成績と金メダルの可能性
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2回の優勝、そして昨年のプレミア12での優勝で現在世界ランキング1位の日本ですが、実は五輪では金メダルを獲得したことがありません。
正確にいうと、1984年のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得したものの、この時はまだ公開競技でした。(プロは参加せずアマチュアのみの参加)
- 1988年ソウル五輪は銀メダル
この時も公開競技でアマチュアのみの参加 - 1992年バルセロナ五輪は銅メダル
この時から正式競技となる - 1996年アトランタ五輪は銀メダル
アマチュアのみの参加 - 2000年シドニー五輪は4位
この時からプロが参加パ・リーグは1球団一人、セ・リーグは6球団で2人という条件 - 2004年アテネ五輪は銅メダル
全選手プロ野球選手のみで構成。各球団2人ずつ - 2008年北京五輪は4位
前回の各球団2人までと言う枠が撤廃
このようにアマチュアのみの参加の時の方が成績が良く、プロ野球選手が参加してからは銅メダルが最高の成績です。現在世界ランキングが1位で、地元開催による大声援の後押しがある反面、「優勝して当たり前」という空気があり、また相当な期待が掛けられているため、そのプレッシャーに負けないことも良い成績を収める重要なポイントとなります。
アメリカはメジャーの選手が出場しない!WBCとの違いは?
日本が第1回、2回と優勝したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)はMLB(メジャーリーグベースボール)機構とMLB選手会によって立ち上げられたWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)が主催する野球の世界一決定戦です。
一方で昨年日本が初優勝したプレミア12はWBSC(世界野球ソフトボール連盟)が主催する4年に一度開催される野球の国際大会です。
つまり、主催している組織が違うわけですが、プレミア12はMLBが関わっていないため、昨年の大会ではアメリカチームはマイナー選手中心のメンバーとなりました。その他のメジャーリーガ-がいる国も出場しませんでした。
実際に大リーグで活躍している日本人も誰一人プレミア12には参加していません。オリンピックはプレミア12と同じWBSCが関わっているため、東京五輪でもメジャーの選手はアメリカだけでなく他の国の選手も参加することはないでしょう。
実際に日本のプロ野球はオリンピックの時期に合わせて試合を中断(7月21日(火)~8月13日(木)まで)しますが、MLBは中断期間がありません。日本や韓国と違いアメリカはベストメンバーでは試合に臨みまないのです。 このような理由から日本は金メダルを獲得する可能性が大きいと期待されています。
ちなみに金メダルを獲得したのはキューバが3回、アメリカ2回、韓国が1回となっています。次のパリ五輪では野球は再び正式種目から外れるため、ぜひ自国開催で日本は初の金メダルを獲得したいところです。
五輪日本代表のメンバーは?
2020年1月の段階では代表メンバーはまだ発表されていません。プレミア12では28人がベンチ入りしましたが、オリンピックでは24人と減るため、かなり厳しい争いとなります。
プレミア12のメンバーを中心にと言いたいところですが、今年からメジャーでプレイをする巨人の山口投手や横浜の筒香選手、西武の秋山選手は出場はないはずです。
さらにプレミア12はシーズン終了後すぐに行われたので、ケガや疲労、不調で出られなかった有力選手が多かったです。
プレミア12に出場しなかった日本代表有力選手
- 巨人・菅野投手(不調)
- ソフトバンク・千賀投手(疲労)
- 楽天・則本投手(不調)
- 西武・森捕手(コンディション?)
- 西武・山川内野手(選出外)
- ソフトバンク・柳田外野手(ケガ)
プレミア12で当落線上だった選手と入れ替えの可能性もある。また、内外野を守れたり、内野を複数守れる選手が重宝されます。
日ハムの近藤選手は現在外野手ですが、キャッチャーも守れるので重宝されると思います。また広島の鈴木選手や巨人の坂本選手はケガや余程調子が悪いとかがなければ、まず選ばれるでしょう。
ただ最終的にはプロ野球の前半戦ので活躍で決まると思いますので、いつも以上にどの選手が活躍しているのか、応援しているチーム以外の選手も注目しましょう。
稲葉監督の采配は大丈夫?名将野村監督はどう見る
プレミア12でも監督を務めた稲葉監督ですが、当初は采配の批判がありましたが最終的には優勝したことでその批判もほとんどなくなりました。
メジャーリーグの選手が出ない中で、日本はほぼベストメンバーで臨んだのですから「優勝して当然」という人も多かった中での戦いはかなりプレッシャーがかかったと思います。
では五輪でも優勝はできるのでしょうか?名将、野村克也監督はヤクルトでリーグ優勝4回、日本一3回を記録していますが、「外野手出身には名監督が生まれにくい」と以前、インタビューで答えていたことがあります。
稲葉監督は外野手出身ですが、野村監督の元で育った選手でもあります。この疑問に対して野村監督は「newsポストセブン」のインタビューで
代表監督に求められるのはスター選手たちを気持ちよくプレーさせる能力。その点、稲葉は性格的に申し分ない。高津もそうだったが、稲葉は監督就任が決まったら、発表前に私に連絡してくる律儀さがある。気配りは、人の上に立つために必要な能力だ。あとは優れたヘッドコーチと、投手交代の見定めが上手な投手コーチが入れば問題ない。東京五輪はプレッシャーがかかるだろうが、十分にやってくれるはずだと期待している。
と述べています。ということは五輪の采配については問題なさそうです。といっても建山投手コーチが投手交代の見定めが上手なのかどうかはわからないですが、プレミア12で見た限りでは決勝に向けて徐々に良くなっていた感じがするので、五輪でも期待したいところです。
まとめ
現在世界ランキング1位の日本はもちろん優勝候補ですが、過去の金メダルは公開競技の1度だけでプロが参加してからは銅メダルが最高でメダルが取れなった大会もありました。相当なプレッシャーがかかったのでしょう。
その分「金メダルで当たり前」という考えではなく、東京五輪後にはもう野球が正式種目になる可能性は低いため、最後の大会で悲願の初金メダルを純粋に応援してみてはいかがでしょうか。
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