過去オリンピックでメダルを獲得した経験もあるアーチェリー。他の競技と違い年齢が大きな影響を与えないのが特徴で、技術と集中力で得点を競う競技は観客まで緊張感が伝わってきます。
今回はオリンピック開会式の7月24日(金)から競技がスタートするアーチェリーの
- 大会日程・スケジュール
- 試合会場
- 見どころ
- 注目の選手
など詳しくわかりやすく紹介します。
アーチェリーの試合会場と大会日程・スケジュール
アーチェリーはこれまでの大会では男女の個人・団体だけでしたが、東京五輪では、新たに混合団体が採用されました。
日 | 時間 | 種目 |
7月24日(金) | 9:00~11:00 | 女子個人予選 |
13:00~15:00 | 男子個人予選 | |
7月25日(土) | 9:30~12:05 | 混合団体予選 |
14:15~17:25 | 混合団体準決勝・決勝 | |
7月26日(日) | 9:30~11:05 | 女子団体予選 |
13:45~17:25 | 女子団体準決勝・決勝 | |
7月27日(月) | 9:30~11:05 | 男子団体予選 |
13:45~17:25 | 男子団体準決勝・決勝 | |
7月28日(火) | 9:30~13:25 | 男子・女子個人予選 |
16:00~19:55 | 男子・女子個人予選 | |
7月29日(水) | 9:30~13:25 | 男子・女子個人予選 |
16:00~18:40 | 男子・女子個人予選 | |
7月30日(木) | 9:30~13:25 | 男子・女子個人予選 |
16:00~18:40 | 男子・女子個人予選 | |
7月31日(金) | 9:30~11:15 | 女子個人予選 |
14:45~17:20 | 女子個人準決勝・決勝 | |
8月1日(土) | 9:30~11:15 | 男子個人予選 |
14:45~17:20 | 男子個人準決勝・決勝 |
決勝が行われる日程は
- 7月25日(土)の混合団体
- 7月26日(日)の女子団体
- 7月27日(月)の男子団体
- 7月31日(金)の女子個人
- 8月1日(土)の男子個人
個人戦は予選から決勝まで一週間近くかかって行われますが、団体は1日で予選から決勝まで行われます。
アーチェリーの競技会場「夢の島公園アーチェリー場」
東京湾の埋め立て地にある「夢の島公園」内に2019年2月に完成。特殊は塗装によって日光の照り返しや温度上昇を防ぐ工夫がされています。大会終了後はアーチェリーの普及・強化の他、さまざまなスポーツで使用予定です。
住所:東京都江東区夢の島2-14 MAP(マップ)
アクセス:JR京葉線・東京メトロ有楽町線・りんかい線「新木場駅」から徒歩約7分
アーチェリーのルールや見どころとポイント
アーチェリーは16世紀、イギリス国王ヘンリー8世が催した御前試合が始まりで、襟付きシャツの着用が義務付けられています。
ルールは簡単で的に向かって矢を放ち、刺さった場所の得点を競います。的の中心の黄色い円を射抜けば10点で、ここに何本入るかが勝負の分かれ目になることが多いです。そして外側に行くごとに1点ずつ減っていき、1点の枠の外側は0点になります。
五輪では地面が平坦な屋外の射場で行うターゲットアーチェリーが行われます。
競技は一対一で対戦し勝ち抜いていくトーナメント方式。まず選手1人につき72本の矢を射るランキングラウンドを実施し、この結果を元に1位対64位、2位対63位という形で初戦の相手を決めます。また団体戦は予選上位16か国で競い合います。
個人のトーナメントでは交互に3度放ち、得点が高い方が2ポイント、引き分けで1ポイントとなり、6ポイント先取で勝利となります。最大5セットまで行い、同点の場合は延長戦(シュートオフ)で勝者を決めます。
個人戦では20秒以内に1射、団体戦では120秒以内に3名が2射ずつ放つルールとなっています。
アーチェリーの見どころ
こちらは女優の綾瀬はるかさんが出演している東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本をひとつにするプロジェクト「Beautiful Japan2020」のアーチェリー篇です。
綾瀬さんはどの競技もですが、本当に何をやってもセンスを感じます。
動画では30mですが、競技は70mになります。
風を読んで集中力を研ぎ澄まし、70m先の122㎝の的を射抜きますが、10点が得られる中心部の直径はCDとほぼ同じわずか12.2㎝で、競技経験者でなければ肉眼で捉えるのは至難の業です。
選手たちは矢を引き、的を狙い、離すまで一瞬たりとも気が抜けません。針の穴に糸を通すような試技はわずかな気持ちの乱れが矢に伝わることで、思いがけず的を大きく外して命取りとなります。
平常心を保って相手との神経戦に打ち勝つ強さが求められるアーチェリーはメンタルのスポーツです。
強豪国と過去の日本選手の五輪での成績
アーチェリーの強豪国は、男女ともに圧倒的な強さを誇っているのが韓国です。2016年のリオ五輪では男女の個人と団体の全4種目で金メダルを独占しています。
メダル争いは男子では日本やアメリカ、イタリア、オーストラリア、フランスなどが続き、女子も日本や中国、ロシア、ドイツ、ロシア、メキシコなどです。最強の韓国の牙城をどの国が崩すのかが注目されています。
日本選手のメダル獲得の実績
なんといってもアーチェリーが日本で注目されたのは山本博選手の活躍からです。1984年のロスアンゼルス五輪で日本体育大学3年生(21歳)の時に男子個人で銅メダルを獲得し、その後2004年のアテネ五輪で銀メダルに輝いています。この時既に41歳で20年かけてメダルの色が銅から銀とランクアップし、当時は「中年の星」と呼ばれていました。
アーチェリーは年齢や性別が大きな影響を与えないのも特徴で、山本選手も東京五輪を目指していましたが、第一次選考会で落選してしまいました。もし山本選手が出場していたら昭和、平成、令和と3つの時代でオリンピックに出場した初めての選手になっていたので残念です。次のパリ五輪の出場を期待しましょう。
アーチェリーで初めてのメダルは道永 宏で、1976年モントリオール五輪の男子個人で銀メダリストになりました。
また2012年のロンドン五輪では古川高晴選手が銀メダル、女子団体が銅メダルを獲得しています。東京五輪でもメダルは期待されていますが、まだ金メダルは獲得したことがないので、なんとか韓国勢を抑えての優勝を期待したいところです。
アーチェリー日本代表選考の条件と注目の選手
日本代表が決まるのは、2020年4月開催予定の最終選考会です。2019年11月に開催された第一次と第二次選考(2020年3月21日と22日開催予定)を勝ち抜いた男女5名の中から上位3名が内定します。選考会は全て70ⅿラウンド累計得点で争います。
古川高晴
【まもなく生出演!】
MBS「せやねん!」に、ロンドン五輪銀メダリスト・本学職員の古川高晴さんが生出演。
アーチェリーの実演や、アーチェリーあるあるをお話しします( *´ω`* )/ pic.twitter.com/J32i8IqZCg— 近畿大学 (@kinkidaigakuPR) January 25, 2020
ふるかわたかはる。1984年8月9日生まれ、青森県青森市出身。アーチェリーの日本の第一人者といえば古川選手が挙げられます。リオ五輪を含めて4大会連続で出場し、ロンドン大会では日本人選手で3人目となる銀メダルを獲得しています。
高校に進学した際に「弓道をしたかったが部がなかった」という理由でアーチェリーを始めた古川選手は高校3年生の時に高知国体で優勝しています。そして大学生2年生の時にアテネ五輪に出場しています。
弓を引く動きや姿勢の美しさは世界トップクラスと評されている古川選手。まずは5回目の五輪の切符を手に入れるために国内の選考会での活躍を期待したいところです。
早川漣
はやかわれん。1987年8月24日、韓国の全州出身。幼い頃に両親が離婚し韓国の高校(全北体育高校)から実業団に進んだが、母親の日本人との再婚をきっかけに、先に来日していた姉を追って来日、日本体育大学に入学しました。2009年に日本国籍を取得すると2012年には川中香緒里、蟹江美貴とともに出場したロンドンオリンの女子団体3位になり、団体戦では男女通じて日本初のメダルを獲得しました。
2015年に右肩痛で一度は現役を引退するも、周囲の関係者からの期待に応え、2016年に復帰。179㎝の長身から繰り出されるダイナミックな射形を武器に現在は調子を取り戻しつつあり、11月の東京五輪代表1次選考会では1位になるなど、もう一度五輪での活躍を期待したいところです。
まとめ
アーチェリーは過去にメダルを獲得している競技ですが、今まで金メダルはありません。強豪の韓国に勝利するのは至難の業ですが、地元開催での悲願の金メダルを期待しましょう。
年齢や性別を問わず、気軽に楽しめる生涯スポーツとして人気が高いアーチェリー。子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層で親しまれていますが、五輪レベルになると、技術や駆け引きなどかなりの緊張感がこちらまで伝わってきます。
ぜひ会場(夢の島公園アーチェリー場)やテレビでアーチェリーの魅力を実感してください。
コメント